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クラウドソーシングが貧困ビジネスの温床になってる件
クラウドソーシングによっては数年前からかなり前からネガティブなことを書いてきましたが、ここ数年で某クラウドソーシング会社が発表した資料によって、クラウドソーシングを利用するフリーランスにとって、利用者約80万人いる中で月に20万円以上稼いでいるのがおよそ111人程度しかいないという衝撃的な実態が明らかになり、一時話題にもなっていました。
そんなことは当初から分かりきっていた事でしたが、そういった中で議論されていたのが、
「結局、稼げないじゃん!」という見方をする人と、
「たとえ1万円でも稼げないよりまし」という見方をする人
それぞれの立場によって確かに変わってくると思いますが、前者では、ガンガン稼ぐ気で期待を込めて参加している人で、後者はやむを得ない事情があって少しでも稼げればいいと思って参加している人という感じで、立場によってかなり見方が変わってます。
そういった中で、クラウドソーシングが取り扱う主な案件は、数100円単位の記事作成がほとんど、昔でいうと封筒作りや傘に和紙を貼るようないわゆる内職仕事といった印象です。
決してそれが悪いわけではなく、問題はサービスを提供している側が業種や業務内容に合わせて、きちんとした線引きができていないからではないでしょうか?
ランサーズなどを見ると簡単な記事作成や単純にロゴデザインを提案して選ぶだけならシステム上特に大した不都合はないのですが、映像制作やWEB制作など、複雑な作業で事前の情報、コミュニケーションが必要なクリエイティブな仕事に対して非常に使い勝手悪いシステムになっています。
つまり、内職のようなシンプルな作業と映像やデザインのような複雑な手順を踏まなければいけない作業ともに、同じフォーマットを使ってクライアントやフリーランスとやり取りをさせているのことがすでに無理があります。(正確には多少は考慮されていますが使い勝手が悪い)
そして、実際に募集をすると分かりますが、自分の実績作りのためのほぼ素人から、本格的な業者まで同じサービス内に入り乱れている状態で、素人とプロが仕事を取り合っているおかしな事になっています。
ランサーについては自己申告制であって、認定ランサーも自作自演も可能?
「フリーランス」とは本来、実績と実務経験を積んで、独立した人の事だと思っていましたが、ネット時代ではただの「時間があって、仕事が欲しい人」みたいな認識になっていておかしいなと思います。
そういったサービスの手抜きさや質の低さが、意味のない値引き競争や低価格を生み出し、ランサー、クライアントともに意識の低い人たちに引っ張られ低品質のものが世に出回る原因を作っているとも感じます。
これは見方によっては、仕事を取れない、生き残れないランサーによって「淘汰」とも言えるかもしれませんが、個人的には単に低価格競争で無駄に寿命を引き延ばしているようにも見えます。
その結果、最近話題になった「キュレーションサイト問題」が起こったのもこういったサービスが原因です。
最終的に「安く」「大量に」「作れればいい」という結果ではなく、プロと素人の大きな違いは完成物のクオリティーだけではなく、そこに至る「きちんとしたプロセスを踏む」ということが重要だということが今回の事件で再確認できたのではないでしょうか?
上記でも書いたクラウドソーシングのシステム上の問題が、世の中に間違った情報や他人に損失を与えているのは今回の事件で明白になったのは間違いないですね。
まさに、本来はきちんとしたプロがやらなければいけない仕事を餌に、機材や作業環境が昔より整いやすくなったのをいいことに、派手な謳い文句で、業界のルールやプロセスも分からない大量に発生した自称クリエイターやライターたちを利用したクラウドソーシングは今まさに貧困ビジネスの温床と言われてもしょうがないと思います。
これはクライアント側にも同じことが言えて、良くないことですので、もう少しシステムを見直ししたほうがいいんじゃないでしょうか?
あと、「事情があってこういう仕事をしたくても出来ない」「年配の方でも趣味を生かしてクリエイティブな仕事ができる」といった意見もみますが、自分の経験から言わせてもらうと、どんな業界の方でもご年配の方でも現役で現場で活躍してたり、年を取ってから専門学校に入って学ぶ方も沢山います。
講師時代30代女性で音楽・イベント関連の専門学校に入って、卒業後イベント運営会社に入った方など、今まで様々な現場で沢山見ました。
だから上で言ってるようなことは自分は理由にならないし、ネットがない時代からこの仕事をしている自分はこの世界に飛び込むには、まずはどこかの制作会社には入らないと何もできなかった時代なので、そういった場所で学んだことが、お客様とのトラブル回避にもつながっていると思います。
今の時代、誰でもフリーで仕事ができる時代ですが、やはり成功も失敗も怒られたことも現場で学ぶことはとても重要だと感じます。
最後にネット社会の今、「人」も「情報」も「本物」と「偽物」を見抜くのが難しい時代です。
「安かろう悪かろう」でさえ今は「高かくても悪かろう」な時代。
本当にいいものを手に入れるためには、利用する側が情報を正しく判断しなくてはならない、弊所としても欲を出して嘘をつかずに、出来ることを正しく、情報を制作に伝えるよう心がけたと思います。
長々と下手な長文すみません。
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